ホワイトボードを、安全に末永く最適な状態でご利用いただくためには、日頃からのお手入れが大切です。
本取扱注意事項をお役立ていただければ幸いです。

日常のお手入れはカンタン！これだけ

定期的に水拭きをして頂くだけで結構です。

1. 「きれいな布」を水に浸し、良く絞り、板面全体を水拭きして下さい。
2. 次に「乾いたきれいな布」で板面の水分を完全にふき取って下さい。
3. 描写後、長時間経過しますと更に消しにくくなります。こまめな清掃をお願いします。

注意事項

• ホワイトボードの表面がぼんやりしてくると消去性が悪くなりますが、水拭きで解消します。
• 水拭きの際に、「洗剤」(酸性･アルカリ性･中性を問わず)を使用しないで下さい。市販の“界面活性剤”を含む「ホワイトボード用クリーナー」も使用しないで下さい。
• 常にイレーザーや受皿部に付いたマーカーの粉も取り除き、清潔に保って下さい。
• かすれたマーカーはインキの色が板面にのこり汚れやすくなります。早めに交換して下さい。
• マーカーの粉が著しく付着したイレーザーは、早めに新品と交換して下さい。（水洗いできるイレーザーもあります）

「ホワイトボードに書いたマーカーの文字や図形の消去性が悪い︕」という場合は、下記の原因と対策が考えられます。

• 早書き･早消しをしていませんか︖
  早書きや早消しをすると、「剥離層」が形成されていないので、きれいに消すことができません。
• かすれたマーカー・液だれしたマーカーを使っていませんか︖
  かすれたり、液だれしたマーカーは、成分バランスが崩れているため、「剥離層」が形成されず、きれいに消すことができません。
• マーカーの保管方法は正しいですか︖
  マーカーは、使用後キャップを確実に閉め、受皿部等の上に、必ず横に寝かせて置いて下さい。マーカーを縦に置くと成分が偏り、筆記時の成分バランスが崩れて、消去性に影響することがあります。
• エアコンやパソコン等のそばでホワイトボードを使っていませんか︖
  エアコンやOA機器の空気の吹出し口の近くにホワイトボードが設置されている場合、板面が異常に乾燥したり、ほこりが付着しやすくなり、消去性に影響する場合があります。
• いろいろなメーカーのマーカーを同時に使っていませんか︖
  メーカーによって成分が多少異なります。別々のメーカーのマーカーの成分が混ざり合うと、板面上の消去メカニズムが崩れますので、なるべく同じメーカーの製品をご使用下さい。
• 板面に薬品や不純物が付いていませんか︖
  マーカーの筆記と消去のメカニズムは、清潔な 「つるつるした面」に限られます。板面上に、薬品や煙草のヤニ等の不純物･異物が付着していると、消去しにくくなります。

ホワイトボード用マーカー（以下「マーカー」と呼ぶ）は、メーカー毎に多少成分や構成比率等が異なりますが、一般的には次の4種類の原材料により製造されています。

1. 着色剤････主に顔料。黒･赤･青等の色を表し、絵や文字を表す成分。
2. 溶 剤････主にアルコールが使用される。着色剤が液体の状態を保つための成分。
3. 樹 脂････着色剤を固体にするための成分。
4. 剥離剤････着色層（着色剤＋樹脂）を板面から浮かせ、分離するための成分。

筆記と消去の基本的なメカニズムは、下図の通りです。

1. 筆記直後は、マーカーの4種類の成分が混ざった状態で板面上に付着しています。（この状態の時にイレーザーで消しても、着色剤は板面から離れず、消去できません）

   筆記直後の状態
   着色剤、樹脂、アルコール、剥離剤の全ての物質が混ざった状態でボードにのります。

   
2. 筆記直後から10数秒程度で、溶剤が揮発していきます。

   アルコールが揮発する
   やがて10分程するとインクの中のアルコールだけが揮発します。

   
3. その後、着色剤と樹脂が結合して「着色層」(薄いフィルムのようなもの)を作り、板面から浮いた状態になり、着色層と板面の間に「剥離剤」が残ります。

   剥離剤だけがボード面に残る
   着色剤と樹脂が結合して膜を作り、ボード面から離れて浮いた状態になり、剥離剤だけがボード面に残ります。

   
4. 筆記の約30秒後、マーカーで書いた文字や図形は、完全に「着色層」と「剥離層」に分かれます。着色層は、イレーザーによってホワイトボードの板面から簡単に剥がれます。筆記後、長時間経つと、着色層と剥離層が再び混ざって消えにくくなります。

   消去する時の状態
   イレーザーで拭くと剥離剤がボードから剥がれ、その上に乗っていたインクも一緒に取り除くことで文字を消去します。